この度、岡山大学ロボット研究会(以下ロボ研)は、JLCPCBにスポンサーになっていただきました。ロボ研は大会で使える予算が少ないのもあり、スポンサーになっていただけるのは本当にありがたいです。
JLCPCBについて
JLCPCBの公式サイト
JLCPCBは新規ユーザー向けに$60のクーポンを配っています。
JLCPCBは基盤制作だけではなく部品実装などのサービスも行っています。JLCPCBでは100mm×100mm以下の基板を5枚、クーポンを使えばなんと$2で発注できます(別途送料がかかりますが、それでも安い!)。納期は配送業者にもよりますが、最短で3日程度、最長で2週間程度です。私も初めての基板発注はJLCPCBで行いました。
具体的なやり方
JLCPCBのX(旧Twitter)の公式アカウント(@JLCPCB_Japan)に直接DMを送りました。
JLCPCBの宣伝を行うことで、スポンサーになっていただけます。
基盤にJLCPCBのロゴを入れる
JLCPCBで基盤を発注したというブログを書く
発注方法
ガーバーファイルはKiCadを使用して製作しました。私が初めて製作したときは、以下のサイトを読んで勉強しました。
ガーバーファイルを圧縮したzipファイルをJLCPCBのサイトにアップロードします。
カートに追加を押して、ご請求内容が表示されるまで必要な情報を入力します。今回の基板発注では100mm×100mm以上の基板を3種類、合計15枚発注するので、$44.1となりました。
この合計金額とオーダー番号を合わせてJLCPCBのDMに送りました。
数日後、審査が通ったという旨のDMとクーポンが届きました。良かった~!
後日届いた$50のクーポンで、基盤を発注しました。割引金額の方が高くなってしまったので、ついでにマイコン用の基板を追加して発注しました。海外から輸送する関係上、割引があったとしても最低2ドルになるそうです。また、支払手数料はpaypalによるものです。
今回製作した回路
自己保持回路
ロボ研には今年入部したばかりなので、今回が初めてのロボ研としての回路製作でした。電源回路を製作するにあたって、適当に調べていると自己保持回路というものの存在にたどり着きました。自己保持回路は主にシーケンス制御の文脈で使われる用語です。身近なものだと、洗濯機が挙げられます。開始のスイッチを押すと、順番に動作が切り替わっていきますよね。しかし、洗濯の途中で主電源を切ると洗濯は初めからになります。これは、シーケンスが途中で終了してしまい、それまでの動作状態を忘れてしまうためです。この動作がなぜ重要かというと、例えば工作機械の主電源を落とし、再度電源を投入したとき、いきなり途中の動作から始まってしまっては困る、場合によっては危険となるわけです。そのため、電源を再起動しても始動ボタンを押さない限りモーターが起動しないようにする必要があります。さらに、ユーザーが電源を入れたという情報を記憶しておく1bitの記憶回路も必要です。今回の回路製作では、プッシュスイッチだけを使って自己保持回路を作りました。以下のサイトを参考にしました。
自己保持回路を使うと、下図のような電源制御基板によるリモートコントロール機能が実現できます。
6.6V電源基板
今回製作した回路の一つ、6.6V電源基板です。6.6Vのリポバッテリーからの入力電圧を可変三端子レギュレータNJM317Fで安定化させています。また、リレーコイルの励磁回路をフリップフロップで制御しています。これにより、マイコンからの信号によって出力をリモートコントロールすることができます。表面実装の部品を一切使っていないため、はんだ付けが地獄でした。また、コネクタ以外は秋月電子縛りです。
24V電源基板
今回製作した回路の二つ目、24V電源基板です。24Vのリポバッテリーからの電源を何も安定化することなくそのまま出力しています。リレーがなんと4つも使われている贅沢な回路ですが、これらも自己保持回路になっているため、6.6Vの電源基板と同じように、マイコンからの信号で出力をリモートコントロールすることができます。表面実装のダイオードはヒートガンを使ってはんだ付けしました。こちらも、コネクタ以外は秋月電子縛りです。
最後に
ロボコンに出場しているが,回路の発注にかかるコストがかさむ…というロボコン団体の方はぜひJLCPCB様のサービスを利用してみてはいかがでしょうか.
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